胆石になる危険のある三大要因と三器官の働き

胆石になりやすいといわれている要素には大きく分けて三つあります。それは、肥満、エストロゲン(女性ホルモン)、糖尿病です。
肥満に関しては、逆説のようなところはありますが、肥満の方は動物性の脂肪の摂取量が多く、その結果コレステロールが過飽和の状態の胆汁が排出されるため、胆石になりやすいといわれています。女性ホルモンの一つであるエストロゲンについては、胆石を形成するメカニズムとしては良く分かっていませんが、もともとコレステロール胆石は男女比にして圧倒的に女性が多い事と、その中でも実際に、閉経の近い女性がコレステロール胆石になる比率が突出して上がる事から、エストロゲンがコレステロール胆石と深く関わっていることは明白だといえるでしょう。また、糖尿病に関して言うと、コレステロール胆石と糖尿病は、どちらもコレステロールの代謝異常で起こるものと考えられており、他にも糖代謝異常、自律神経や胆嚢の神経機能の低下が見られるため、その関係性は明白だといえます。
しかしこれらは、あくまでも状況的要因としかいえず、胆石ができる直接的な原因とはいえません。
では、実際に直接関係している胆石を作る原因になっているものは何なのでしょうか。
その事については、様々な意見が飛び交っているようですが、最近の有力な説は三つの器官の働きによるもので、それは肝臓・胆嚢・腸といわれています。その中でも一番影響のあるものは肝臓といわれており、胆汁を分泌する肝臓は、言ってみればコレステロール胆汁の原材料を出している器官であり、この肝臓に異常が生じることによって、胆石ができる危険性が上がる事はまず間違いないといって良いといわれています。

次に胆嚢ですが、これは胆汁をためておく場所でありこれさえなければ胆石などできないと言い切ってしまう医師がいる位で、正常に働いていない胆嚢は、早々に手術によって切除してしまうという方法を取る医師も少なくないといいます。
最後は腸の働きの異常が胆石に関係しているというものですが、腸は消化器の中でも、一番排泄に近い位置にある器官で、栄養素の吸収という働きはあまりせずに、主に便の形成を担っているのですが、再吸収して栄養素をリサイクルする働きもあります。
そこで、胆汁から排出されたコレステロールを分解するための胆汁酸を腸肝循環という働きで腸から吸収し、もう一度胆嚢から胆汁酸を使おうとするのですが、このときに吸収して胆汁酸が、コレステロール分解能力の低いものに変換してしまう場合あるため、結果、十分にコレステロールが分解されず、胆石を作ってしまうといわれています。このように、胆石を作ってしまう原因は様々なものがあるのです。

胆嚢炎の併発

胆嚢炎は胆嚢が炎症を起こしているものを言いますが、胆石がこの胆嚢炎を引き起こすケースは非常に多く見られることなので、注意が必要です。症状としては高熱、激しい腹痛、吐き気や嘔吐などがあり、急性から慢性まで様々なものがあります。しかし、胆石があるからといって、必ず胆嚢炎に発展するかというと、そんな事は決してないので、胆石を速く発見して、早期の治療をすることをお勧めします。