コレステロール胆石ができる仕組み

ご紹介させて頂いた三種類の胆石ですが、実際の話、ビリルビンカルシウム石と黒色石ができる原因については、まだあまり解明されていないようです。ですが、日本人に一番多く見られるコレステロール胆石のメカニズムについては、かなり解明されてきていますので、そちらをご紹介したいと思います。
そもそもコレステロールというものは、もともと人間の体内で作られる物質で、肝臓でそれを合成しています。
それに加えて、私達は体外からも、食物としてコレステロールを摂取しています。
この両方のコレステロールを溶解するために肝臓は、胆汁酸というものに変える働きをしているのですが、コレステロールを胆汁酸に変えるためには、水酸化酸素という物質が必要で、この水酸化酸素の分泌少ないなどの理由で、コレステロールを胆汁酸に変える力が弱い人は、コレステロールが余ってしまい、その結果、胆石はできやすいと考えられています。

しかし、誰もが全てのコレステロールを胆汁酸に変えられるわけではなく、どんな人でも必ず多少は余ります。それらは胆嚢からリン脂質を含むレシチンなどを使ってミセルという非常に小さな粒子にして体外に排出する事ができるのです。
ですから、単純に考えて、溶かす物質の胆汁酸やリン脂肪が、とかされる物質のコレステロールより劣っていた場合にコレステロールが余ってしまい、それらが結晶となって析出されてしまうというわけです。
これは個人差によるものが大きく、決してコレステロールの摂取が少ないからといって安心できるものではなく、たくさん摂取しても、それ以上に胆汁酸やリン脂質を分泌できる人は問題がなく、反対に摂取が少ない人でも、あまってしまう事はよくあるケースなのです。